なにやら黒子のバスケがヒットの予感という記事を読んで先日一気に読んだのだが面白い。バスケット漫画といえばドラゴンボール・幽☆遊☆白書と共にジャン プで黄金期を築き上げたSLAM DUNKがあまりにもすごすぎて、ほかの漫画は比較されてヒットしない状況である。そんな中現在連載3年目に突入した漫画だけあって面白い。
漫画内容は通常スポーツものか超常スポーツものかというとどっちとも言える感じであり、漫画ならではの適度な設定であると思う。
ストーリー
バスケ漫画ということで少しSLAM DUNKに似ているところなどもあるが、主人公の個性が全く違うのでハッキリと別物として見ることができる。
具体的にはSLAM DUNKの桜木花道は勝気を前面に出して目立ちたい・活躍したい・モテタイなど欲が全開のキャラであり、それを軸としたストーリーだが、黒子のバスケでは 主人公はあくまで黒子であり他人をサポートすることを信念を掲げており、目立つ気は0、勝つことよりも楽しみたいと物語の軸は完全に違っていて、同じバスケを題材にしたマンガでも違った味が出ている。
また、主人公が影が薄いキャラであるだけにもう一人の主人公である黒子の相棒は桜木花道並の明るくてバカなキャラとして描かれている。このキャラのおかげでマンガ全体は明るくなっているし、非常に見やすい物になっている気がする。
画力
画力は3年目に入っただけあって結構うまい。特にうまいと思うのが効果線の使い方である。この漫画において効果線は非常に少なくとてもシンプルである。背 景も最低限の描写にまとめてあり、絵がとても見やすくスラスラ読めて見やすい。トーンも最低限にしてあり、絵をいい意味で盛り上げたり、誇張するために使われいる。
キャラ設定
本作では「"キセキの世代"という5人の天才を倒して頂点を取る」ということを最初から目標に掲げているため、テニスの王子様のように進めば進むほどとんでもない設定や化物が登場するということは今のところ至っていない。また5人のうち4人がすでに登場したが、それらのキャラを軸にストーリーが描かれているだけ今後も大きく設定崩壊などはすることはないと思われる。SLAM DUNKでは全国大会2回戦で最強チームを出現させてしまったのでこれ以上盛り上げる試合は書けないし、書いてしまったら今まで積み上げたものが安っぽくなるということで引き際を大事に連載を終えたが、黒子のバスケもキャラ設定における軸がしっかりしているだけによいマンガになるのではないかと思う。
弱点
このマンガの弱点はメリハリが強すぎるということと主人公の影が薄い事だろう。メリハリに関してだが、SLAM DUNKの頃と比べるとバスケットボールのルールが変わっており、20分2本の前後半戦から10分×4本の40分に試合内容が変化している。このことから、漫画内でも盛り上がってきたところで休憩が入ったりして、盛り上がりが長時間続かないことがこのマンガの弱点だと思う。また、主人公が地味なだけに主人公にスポットが当たっても盛り下がるというのが大きな弱点だろう。
しかし、主人公も必殺技を手に入れ攻める力を手に入れたし、スポーツ漫画ということもあり、ゴールデンタイムでもアニメ化されれば、クチコミなどもでも広がり大化けして、大人気にマンガになると思う。